東京都には5つの町と8つの村があります。力を合わせていろいろな課題に取り組んでいます。

東京都町村議会議長会

平成29年度の東京都予算編成に対する要望

 

 東京都町村議会議長会(会長・東日の出町議会議長)と東京都町村会(会長・河村奥多摩町長)は、7月29日に「平成29年度東京都予算編成に対する要望書」を東京都に提出しました。
東京都の13町村では、東京都町村会と東京都町村議会議長会において、毎年、各町村からの要望をとりまとめており、町村長と議長が3班に分かれて、東京都の各局長と面会し、町村の実情を説明のうえ要望活動を行いました。

 以下に、要望の重点事項を紹介いたします。

1 町村の安定的な財源確保に関すること

(1)市町村総合交付金の充実(P8)
市町村総合交付金は、市町村の行政水準を維持し、年々厳しさを増している市町村財政を補完するうえで極めて重要であるため、交付金額のさらなる増額を要望する。
また、市町村総合交付金については、公共施設等の整備状況を勘案した弾力的・効果的な配分とするとともに、交付金の対象範囲の拡大、まちづくり振興割地域特選事業枠の一層の充実を要望する。

(2)地方分権に伴う適切な財源措置(P5)
地方分権の推進と権限移譲に伴う財源措置については、町村の実情を踏まえて国に働きかけるとともに、都としても適切な技術・財政支援を図られたい。

2 地方創生の推進と多摩・島しょの振興に関すること

(1)地方創生の推進(P1)
地方創生は、平成28年度から事業展開の段階に移った。人口減少の克服と地域の活性化への取り組みが着実に進むよう、障壁となる規制の撤廃、地方分権の一層の推進を都として国に働きかけられたい。
また、事業展開にあたっては、地方交付税等の町村一般財源総額の確保、地方創生交付金が自由度の高い包括的なものになるよう、国に強く働きかけるとともに、都独自の財政支援の創設を要望する。

(2)西多摩地域広域行政圏計画事業の推進と財政援助の充実(P3)
西多摩地域の市町村の連携・協調を一層推進し、地域の振興と均衡ある発展にむけて社会基盤整備や人づくりなど「多摩の拠点」整備が重要となるため、都の支援体制の強化と財政援助の充実を図られたい。

(3)島しょ地域の振興策の推進と財政援助の充実(P4)
島しょ地域における地域力創造推進対策の推進、都単独事業予算の拡大、島しょ振興公社に対する貸付金継続、ヘリコミューター定期運航事業に対する財政支援を図られたい。

(4)小笠原空港の開設に係る整備計画の早期立案(P6)
計画案の検討をこれまで以上に具体的に進め、「小笠原航空路協議会」の議を経て早期に取りまとめられたい。都としての一定の見解をまとめ、小笠原村日本復帰50年を迎える平成30年6月までには示されたい。

3 安全・安心な町村の実現に関すること

(1)防災体制等の充実強化(P12)
各町村とも防災施設の整備、自主防災組織の育成等、各種事業に取り組んでいる。都と町村が共同して避難誘導の仕組みを作り、生活物資の供給法を早急に確立するなど、町村の防災力の向上のため、都の支援を図られたい。

(2)離島のヘリポート整備に対する財政支援、技術的支援(P19)
島しょ部では、南海トラフを震源とする巨大地震や津波を考慮した早急な対策が必要であり、御蔵島村などの空港未設置の離島では、中型以上の救助ヘリ等が離発着できるヘリポートがないことから、ヘリポート整備に対する財政支援、技術的支援を要望する。

(3)大島町への災害復旧・復興特別交付金の継続及び復旧事業の早期整備促進(P15)
大島町における土砂災害は発災から3年目を迎える。災害復旧・復興特別交付金制度を継続するとともに、都が実施する砂防工事の一日も早い完成を図られたい。

(4)土砂の処分に係る総合的な対策及び規制施策の実施(P49 新規)
建設残土の処分は、監視、指導、規制強化が進んでおらず、中山間地域への違法投棄が目立ち、周辺住民に災害発生や土壌汚染に対する不安が広がるとともに、自然環境への影響も懸念される状況となっている。都条例の罰則強化や土壌調査の義務化に新条例の制定も含めて対応を要望する。

4 福祉の充実した町村の実現に関すること

(1)社会保障・税番号制度の運用のための支援(P35)
社会保障・税番号制度の今後の運用やセキュリティ対策が課題となっているため、 町村への情報提供や技術的支援を要望する。また、セキュリティクラウドの構築について、都の方針を早急に示すとともに、費用負担についても町村の状況を考慮したものとされたい。

(2)医療保険制度の一本化に向けた取り組み・国民健康保険制度改正への対応(P90、91 新規)
平成30年度に国民健康保険制度改正が実施されるが、最終的には各種医療保険制度の負担と給付の公平化を推進するためにも医療保険制度一本化が望ましく、都としても積極的に取り組まれたい。
また、平成30年度の国民健康保険制度改正に伴うシステム改修経費等に多大な費用が見込まれるが、国の補助は自治体の負担に考慮した額ではなく、都は国に万全の財政支援を講じるよう働きかけるとともに、都としても独自の支援策を構築されたい

(3)後期高齢者医療制度の円滑な実施のための財政支援(P105)
後期高齢者医療においては、他の医療制度にはある都内区市町村間の住所地特例がなく、老人福祉施設等が多数立地する町村ではさらなる財政負担となっている。都としてこの不合理な仕組みを是正するよう、国に強く働きかけるとともに、広域連合での検討が進むよう働きかけられたい。

5 農林水産業の振興に関すること

(1)農業振興対策の推進(P120)
農業については、地域特性を活かした遊休農地対策の促進のための「農地の保全と利活用促進事業」の充実を図られたい。また、農村総合整備事業の着実な推進のため、必要な事業量に見合う都費負担分の財源を確保されたい。さらに、後継者、新規就農者への支援体制を強化されたい。

(2)林業総合振興対策の充実強化(P124)
間伐林道の増設など都施工林道の開設を充実させるとともに、森林保全対策・治山事業の強化を図られたい。また、後継者・新規参入者への研修制度などの充実を図られたい。

(3)水産業の振興(P130)
島しょの漁業は、価格低迷、資源の減少などにより厳しい経営状態が続いている。資源管理型漁業への転換、漁家の経営基盤の強化が急務である。専門技術指導員制度を創設するなど、漁協・漁業者への指導体制を整備されたい。
また、内水面漁業をより普及させるため、小規模の施設整備や施設改修、加工機械等整備に都の補助事業を創設されたい。

6 住民生活を支える道路、交通に関すること

(1)市町村土木補助の充実(P143)
道路新設・改良等の市町村土木事業に対して、補助採択基準及び補助制度の弾力的運用、補助対象の拡大、補助率の拡大など、積極的な財政支援をされたい。

(2)都道の整備促進等(P144)
山間部や島しょ部において都道の新設や整備促進は、住民生活を支え、産業・観光振興を推進するとともに防災機能の向上に資するものである。そのため、都道整備に積極的に取り組み、早期の整備実現を図られたい。

(3)多摩都市モノレール上北台~箱根ヶ崎間の建設の促進(P53新規)
交通政策審議会の答申が平成28年4月に出され、多摩都市モノレールの延伸が位置付けられた。上北台~箱根ヶ崎間の延伸は前回の同審議会の答申でもA2路線に位置付けられており、一日も早い事業化を要望する。

7 次世代に引き継ぐ豊かな環境に関すること

(1)森林の保育、保全を目的とする財源の確保(P38)
森林の多様な機能を引き出すために、林道を整備し間伐や下草刈りなどの森林整備を行うが、そのための財源強化が急務である。国に「全国森林環境税」の早期検討と一日も早い実施を強く働きかけられたい。また、都としても森林環境を守る町村に財政的な還元をしていく新たな制度の創設や補助の拡充を図られたい。

(2)総合的観光対策及び補助制度の充実(P135)
町村は西多摩の緑、島しょの海に象徴される豊かな環境を有し、都民の憩いの場を提供している。町村はこの豊かな自然を守るために、多くの手間や費用をかけている。
豊かな環境を活かした観光は町村にとって重要な産業であり、自然の保全の財源ともなる。しかし、訪都人口の増加が町村の観光に結び付いている状況ではないため、観光施設や宿泊施設などの整備、情報発信など、財政的支援とともに技術的支援を図られたい。

8 小中学校等の運営充実と施設整備の促進に関すること(P172、177)
将来を担う子どもの教育には、地域の実情に応じ、創意工夫を凝らしたきめ細かな指導が求められている。そのためにも、学校運営の基礎的制度面での地域間格差が生じることがないよう、都としての調整を図られたい。
また、町村の学校施設は自然現象により都市部に比べ老朽化が進みやすく、部分的な改造など国の補助対象外となるものについては、良好な教育環境を維持・確保するために都の財政支援が必要である。

9 東京オリンピック・パラリンピックに関すること(P45、46、47)
2020年東京オリンピック・パラリンピックは国民に多くの夢を与えるとともに、その経験は次世代に貴重な財産として受け継がれる。町村としても大会成功に向けて全力で取り組んでいきたい。
世界のトップアスリートの競技を肌で感じることで、感動はより大きなものとなる。町村では新島村のサーフィン、三宅村のスポーツクライミングは国内競技者等からも高い評価を得ており、オリンピック大会の競技会場として最適地である。都としても大会組織委員会へ強く働きかけるなど支援されたい。
また、気運醸成に向けて全ての町村に聖火が巡り、多くの住民の記憶に残る大会となるよう、合宿地の誘致や施設整備について配慮されたい。

 

実施日 要望内容 ファイル
28.7.29
東京都予算編成に対する要望 ・表紙 pdf>39KB

・目次 pdf>276KB

・各局共通 pdf>218KB

・政策企画局 pdf>138KB

・総務局 pdf>562KB

・財務局 pdf>96KB

・主税局 pdf>172KB

・生活文化局 pdf>169KB

・オリンピック・パラリンピック準備局 pdf>186KB

・都市整備局 pdf>330KB

・環境局 pdf>529KB

・福祉保健局 pdf>447KB

・病院経営本部 pdf>129KB 

・産業労働局 pdf>468KB

・建設局 pdf>369KB

・港湾局 pdf>337KB  

・水道局 pdf>136KB

・教育庁 pdf>308KB  

・消防庁 pdf>142KB

□その他の要望

▼Go Toトラベル事業の実施に関する要望

 東京都町村議会議長会(会長:中村檜原村議会議長)と東京都町村会(会長:杉浦瑞穂町長)は、令和2年8月17日に西村経済再生担当大臣に対して要望を行いました。
実施日 要望内容 ファイル
 2.8.17  Go Toトラベル事業の実施に関する要望  要望書 PDF>177KB

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